深澤清馥(みさわのせいふく)ができるまで(荒茶編)

お茶は茶園で栽培した茶葉を適期に摘採し、加工(製茶)することによって製品になります。茶葉は摘採した時から酸化酵素によって発酵が始まります。 日本茶の場合は、可能な限り新鮮な状態で熱処理(蒸す)することによって酸化酵素の活性を止め、水分を減らし、葉の形状を整えて乾物状態にします。 この乾物状態を荒茶といいます。


収穫まで太陽の光を遮断する「寒冷紗」をかける

深澤清馥を栽培する茶園は、棚を寒冷紗で覆った中で芽を育てています。 寒冷紗により太陽光を遮断することで、渋みを抑え濃厚な旨味のあるお茶を作ります。 深澤清馥は、棚の中でのびのびと新芽を伸ばしながら、ゆっくりと成長していきます。

収穫方法は「手摘み」

一般的に、お茶を収穫する方法は ①手摘み ②機械摘みの2つがあります。 深澤清馥は①の手摘みによって収穫されています。 旨みのある最高級のお茶を作るため、お茶芽の柔らかい部分(一心三葉)だけを収穫し、カゴへ集めていきます。 朝8時頃に集合し、みんなで約30kgほどが収穫できました。 このように手摘みは機械摘みとは異なり、とっても時間のかかる作業です。 時間のかかる分、柔らかいお茶の芽だけを収穫できるので、品質のよいお茶ができます。


午後は、いよいよ製茶へ

収穫が終わったら、栃沢地区のお茶農家さん・山水園さんのお茶工場で休む間もなく製茶へ。 新鮮なうちに茶葉を蒸します。 蒸した後はさまざまな機械を使い、揉みながら乾燥させます。

針のようにツンツンしたお茶へ

揉みながら乾かすこと5時間…。 針のようにツンツンした、山のお茶が完成。 時間をかけて丁寧に揉むと、細く針のような形のお茶ができます。

仕上げ加工へ

これで終わり…ではないんです。 乾燥まで終わったら、もう飲める、と思った方もいるかもしれません。でも、もう一手間加えます。 乾燥させた状態のお茶は「荒茶(あらちゃ)」と呼ばれる半製品なのです。 荒茶は形が不揃いで、しかも水分含有量が多いために変質しやすく、そのためまだ製品としての価値をもちません。 製品として完成させるために、茶宴の2ヶ月ほど前にさらに加工をします。火入れ乾燥や、形を揃えるための整形です。 これを「仕上」と言います。

深澤清馥(仕上編)は、また別記事で紹介したいと思います。

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東  福  茶  宴

東福寺御開山様(聖一国師)は宋の国 径山万寿禅寺に学び、 茶を故郷 静岡に伝えたとされる静岡茶の祖です。 修行されていた径山で「径山茶宴」という茶会が行われていたという故事に習い、ここ東福寺での茶会を「東福茶宴」と称しました。 2020年から毎年12月上旬に行われる無料の茶振舞いは、 御開山様の故郷 静岡と縁ある人々によるおもてなしです。 茶宴は、㈱ロイヤルブルーティージャパンの商標です。