秋というにはまだ暑い10月12日、今年の東福茶宴で呈茶される深澤清馥の仕上げが行われました。お茶の仕上げ加工は荒茶に含まれている茎や余分な葉・粉などを取り除く選別を行ったあと、茶葉の長さを揃えるための切断や香りを高めるための火入れなどが行われます。
ふるい分け・切断
茶葉が不揃いだと火入れの時にムラが出て、品質が一定になりません。荒茶が大量の場合は機械で行いますが、今回は手でふるい分けする方法を教えていただきました。
篩(ふるい)は網の目の数により番号で呼ばれています。1寸(3.03cm)の中にある網目の数が番号になります。例えば1寸の中に網目が8個あれば8号、30個あれば30号になります。ふるいにかけることによってお茶の太さや長さを選別し、長いお茶を切断していきます。
茶のふるい分けには、太さを揃える並行ぶるい及び振動ぶるいと、粉を取り除き長さを揃える廻しぶるいがあります。
篩を並行(円を描く様)に回すと細かいお茶が下に落ち、長いお茶が残ります。篩を前後左右の直線方向に動かすと茶葉が跳ねて茶葉が立ち、細い茶葉は下に落ちて太さが均一になっていきます。長いお茶は篩の目を使って切断し、形状を揃えていきます。お茶の葉が揃っていないと、お茶を淹れる時に葉が均一に開かないのです。
火入れ
火入れは、荒茶を水分含有量2~3%程度になるまで乾燥させるとともに、お茶独特の風味を引き出すために行われます。お茶の味を決める最重要の工程といえる火入れ。お茶が持つ風味の特徴を伸ばしてあげるのが火入れの役割です。また、しっかりと茶葉が乾燥するため品質を安定させる役割もあります。
火入れは一般的に、新茶や上煎茶には弱火でじっくりと火入れをおこない、普通の煎茶や番茶は強火で火入れをおこないます。
弱火でじっくりと火入れをおこなうと、新茶や上煎茶にある新鮮なお茶の香りを失うことがなく、甘味を引き出すことができます。火入れは、その仕方一つでお茶の香りや味を左右してしまう重要な工程なのです。
今年の深澤清馥、出来上がりました。
計量・袋詰
出来上がった深澤清馥は計量・袋詰されて12月8日の東福茶宴まで一休みです。
地元のお茶まつりと東福茶宴でしか味わえない深澤清馥をぜひご堪能ください。
東福茶宴でお会いできることを楽しみにしております。
東 福 茶 宴
東福寺御開山様(聖一国師)は宋の国 径山万寿禅寺に学び、 茶を故郷 静岡に伝えたとされる静岡茶の祖です。 修行されていた径山で「径山茶宴」という茶会が行われていたという故事に習い、ここ東福寺での茶会を「東福茶宴」と称しました。 2020年から毎年12月上旬に行われる無料の茶振舞いは、 御開山様の故郷 静岡と縁ある人々によるおもてなしです。 茶宴は、㈱ロイヤルブルーティージャパンの商標です。
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