My紅茶ができるまで


紅茶は摘採(茶摘み)→萎凋→揉捻→発酵→乾燥の過程を経てつくられています。My紅茶は栃沢の在来種の茶葉を手積み・手揉みして作っており、一日目に茶摘み→萎凋、二日目に揉捻→発酵→乾燥までを行っています。


茶摘み 

茶の木から、芯芽のある一芯二〜三葉を摘み取ります。あまり硬い葉だとその後の工程に時間がかかるので、柔らかめの葉っぱがおすすめです。在来の茶葉には朱っぽい葉や黄色っぽい葉など様々な葉があり、その割合でもできあがりの味が変わってきます。


萎凋(いちょう)

萎凋とは、摘み取った後の茶葉を萎れさせることです。風をあてて葉から水分を抜くことで、葉の内部の酵素による微発酵を促します。また水分が抜けることで、次の揉む作業をし易くすることにもなります。葉の状態にもよりますが、揉む前に水分量を30〜45%くらいまで減らします。

揉捻(じゅうねん)→発酵

揉捻とは茶葉を揉む作業です。揉んで茶葉の細胞組織を破壊することで、酸化発酵を促しながら葉の形を整えます。茶葉の酸化酵素が空気中の酸素に触れると活性化し、カテキン(ポリフェノールの一種)やペクチン、葉緑素(クロロフィル)が酸化発酵します。この酸化発酵こそが、紅茶の香り・味・コク・水色(すいしょく)のベースをつくる重大なカギを握っているのです。一般的な紅茶では揉捻機にかけて揉みますが、My紅茶では萎凋させた葉っぱを厚手のビニール袋や布袋に入れ、ひたすら揉みます。徐々に茶葉から水分が出て温度が上がって発酵が始まると、水滴が少しずつ紅くなり香りが紅茶に近づいていきます。発酵しすぎると紅茶の命である香気やアロマが台無しになってしまい、水色も黒っぽくなってしまうので丁度良いと思われるところで揉むのを止めるのですが、ここで味が決まる事になるので見極めが難しいところです。


乾燥

発酵が終わっても葉に水分が残っていると、引き続き化学変化が起こってしまうため、乾燥機に入れて高温熱風で酸化酵素の活性を止め、乾燥させます。

My紅茶ではこのあと茶葉を計量(生葉の1/5程度になります)し、それぞれの紅茶を試飲・講評して作業終了となります。同じように作ってもそれぞれに違う味わいとなり、自分の作った紅茶が毎年違う味になるのも楽しみのひとつです。紅茶は保存している間にも味が変化するので、それを体験できるのもMy紅茶ならでは。東福茶宴で味わっていただく紅茶はこのような過程で今年作った、それぞれのMy紅茶をブレンドしたものです。気に入っていただけると幸いです。

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東  福  茶  宴

東福寺御開山様(聖一国師)は宋の国 径山万寿禅寺に学び、 茶を故郷 静岡に伝えたとされる静岡茶の祖です。 修行されていた径山で「径山茶宴」という茶会が行われていたという故事に習い、ここ東福寺での茶会を「東福茶宴」と称しました。 2020年から毎年12月上旬に行われる無料の茶振舞いは、 御開山様の故郷 静岡と縁ある人々によるおもてなしです。 茶宴は、㈱ロイヤルブルーティージャパンの商標です。